夏の旬野菜のひとつ、インゲン。原産地は中南米と言われており、江戸時代初めに隠元(いんげん)禅師が中国より日本へ持ち込んだことから、「インゲン」の名がついたとされています。 店頭に並ぶインゲンを見てみると、緑色が濃いものや白っぽいもの、形も丸いものや平たいものがあります。おいしいインゲンの選び方から種類の違いまで、管理栄養士の柴田聡美さんにお話を伺いました。
太すぎは要注意!?
新鮮でおいしいインゲンを選ぶにはどのような部分に注目すると良いのでしょうか。 「野菜を選ぶときはついつい太くて大きいものを選んでしまいがちですが、インゲンはやや細めがオススメです。太すぎると成長過多のために筋が硬かったり青臭かったりするので、注意しましょう。また、全体的に太さが均一で豆の形がはっきり浮き出ていないもの、さやの先までピンとしていて張りがあるもの、色が濃く鮮やかなものが新鮮なインゲンの証です。 表面に斑点やしみなどの変色が出ていたり、へたが茶色になっていたりするものは、鮮度が落ちているので避けましょう」(柴田さん)
丸ざや系と平ざや系で特徴が
インゲンは、大きく分けて丸ざや系と平ざや系があるそうです。 「多く出回っているのは丸ざや系で、どじょうインゲン(ケンタッキー・ワンダー)や、やや細めのサーベルインゲンなどがあります。丸ざや系は、みずみずしくて柔らかく筋がないものが多いので、下処理が楽です。丸のままゆでておひたしにすると食感もよくとてもおいしいです。 平ざや系は、さやが平たく幅が広めで、平ざやインゲン、モロッコインゲンが代表的な品種です。平ざや系は比較的まっすぐなものが多く、切りそろえるのが楽なので、料理の見栄えがよくなります。甘みが濃いので揚げ物やソテーなどに向いています。 このほか、黄色や紫色のもの、長さが20cmを超えるもの、さやが四角いインゲンもあります」(柴田さん)
インゲンをおいしく調理するコツ
インゲンを使った料理にはごまあえや炒め物などがありますが、調理のコツを教えてください。 「丸ざや系も平ざや系も、特徴に合わせたさまざまな調理方法が可能です。インゲンはヘタと筋を取ってから調理しますが、最近では品種改良がすすみ、特に丸ざや系は筋がほとんど気にならないものも多いので、端を折ってみて、筋があれば取り除いてください。茹(ゆ)でればサラダやあえ物に使えますし、生のまま切って炒めればシャキシャキした歯触りを楽しめます。煮物や天ぷらもおいしいです。 調理する時は、水に対して2%ほどの塩を入れて茹でるか、電子レンジ(600W)で1分半~2分かけてください。茹でてもレンジでも、加熱した後はすぐに冷水にとり、10秒程度さっと冷やしてからざるにあげると、きれいな緑色に仕上がります。あまり水に浸けすぎると栄養分が流れ出て食感も悪くなるので注意しましょう。こうしておけばこのまま冷凍することもできます」(柴田さん) カリウムが豊富に含まれるインゲンは、体内の水分量を調節し、水分を摂りすぎてしまった時のむくみ解消にも効果があるそうです。旬のインゲンを使った一品を食卓に添えてみてはいかがでしょうか。
ウェザーニュース
Source : 国内 – Yahoo!ニュース