太陽光発電「産地偽装」、許した制度の抜け道 「再エネ倍増」の裏側

 政府は7月、再生可能エネルギーを今より倍増させる指針案を打ち出した。牽引(けんいん)役として期待されるのが太陽光発電だが、「電気の産地偽装」ともいわれる行為を許してきた制度面の課題も指摘される。どういうことなのか。

隣の市にパネル設置し用地に送電 その理由は

 西日本にある人口2万人弱ののどかな町。田んぼや住宅に囲まれた一帯に小高い山がある。太陽光発電の用地として2014年度に国が「認定」した場所だ。

 それから6年。この夏、現地を訪ねてみたが、いまだ開発されたような形跡は見られなかった。地元住民の反対などにより、太陽光パネルの設置を業者が断念したのだという。

 最新の計画では、パネルは約3キロ離れた隣の市に設置。そこから数キロの電線を張って、この山まで電気を「運ぶ」ことになっている。電力会社の送電線には、この山から接続して売電する予定だ。

 「別の場所で発電し、この山で発電したかのようにして売るんだ」。事業関係者は取材にそう明かした。

 わざわざ電線を張って遠回り…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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