嶋田圭一郎
三重県東員町南大社にある太陽光発電の事業地内に廃棄物が埋められている疑いがあり、三重県廃棄物対策局が不法投棄とみて調べていることが、朝日新聞の取材で分かった。事業地内では、雨水で削られたとみられる斜面の一部から、廃棄物が露出しているのが確認されている。
朝日新聞が1月中旬から2月上旬に現場を確認したところ、斜面の一部から、焦げた木々や、段ボール箱内で商品を固定する際に使うようなプラスチック部品や発泡スチロール、シート、パイプのような金属類などが露出していた。
三重県廃棄物監視・指導課も現地を確認。露出した廃棄物の状態から「明らかに人為的」に埋められたものとみている。産業廃棄物の可能性があるとみて、投棄者を慎重に調べている。
事業地は、名古屋市北区に本店を置く「ディーエスエス」(DSS、木下誠剛社長)が昨年開発した。1ヘクタールを超える土地に太陽光パネルが多数並んでいる。
木下社長は1月18日の取材に、「不法投棄をした認識は全くない。当社の事業で出たものではない。三重県からの指導も受けていない」と関与を否定した。
一方、この取材後の同25日には、文書で「敷地内に太陽光工事では使用しないヒューム管などが残置され、パネルの保管に利用するプラスチック片が11個散らばっているのを確認した」とし、産廃業者に引き取りを手配したと説明。工事で発生した産廃の処理業者については「開示義務はない」とした。
付近の地権者によると、事業地は山林や谷があった場所で、木々を伐採後、山を削って谷を埋める工事をしていたという。
D社は昨年春、三重県いなべ市の事業地で、産廃に当たる伐採木を地面に埋めようとしていたとして、三重県から撤去指導を受けた。また昨年秋には、愛知県南知多町の計画地で木々を野焼きしているのを愛知県と南知多町の職員らに目撃され、注意を受けた。(嶋田圭一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル