きょうも傍聴席にいます。
新潟県長岡市の民家で昨年6月、生後3カ月の女児が亡くなった。2階の吹き抜け部分から階下に数回落とし、小さな命を奪ったのは女児の母親(32)だった。まじめで優しかったという女性がなぜ、幼い娘を自らあやめてしまったのか。
2月13日、新潟地裁で始まった裁判員裁判。殺人罪に問われた長岡市職員だった女性は初公判の法廷に、白いシャツと上下黒のパンツスーツ姿で現れた。左手の薬指には指輪。裁判長に名前を確認されると、はっきりとした口調で答え、手元のメモに目を落としながら検察、弁護側双方の冒頭陳述を聞いた。
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冒頭陳述などによると、女性は同じ市役所に勤める夫と2014年に結婚。16年に長男、昨年の19年2月27日に長女を出産した。
その後、女性は育児休暇を取る。生後1カ月ほど経つと長女の夜泣きが始まり、女性は不眠や倦怠(けんたい)感に悩むようになった。授乳は多いときは1日に14回。いったん長女が夜泣きを始めると1時間ほどかけてあやさなければならず、まとまって眠れる時間は1日1~2時間ということもあった。
重ねて、4月に入ると夫が異動で忙しい部署に配属され、帰宅は深夜に。日付を越えることもあった。
そんな女性の姿をみて、義母が手を差し伸べた。ほぼ毎日、家に手伝いに訪れ、孫にあたる長男の夕食を作ったり、掃除をしたりしてくれた。それでも、長女のおむつ交換や洗濯などの育児や家事が女性の負担になり、次第に体調は悪化した。
台所に立っても何をすればいいか分からず、「死んでしまいたい」「消えてなくなりたい」と考えるようになった。弁護人がその当時の気持ちや状況を被告人質問で聞いた。
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弁護人「死にたいという思いはいつから」
女性「5月中旬からだったと思います」
弁護人「その気持ちは強くなったか」
女性「毎日のように死ぬことばかり考えるようになりました」
弁護人「夫は何と」
女性「『どうしてそんなこと言うの? 言わないで』と」
弁護人「長男はどうだったか」
女性「私がぐったりして遊んであげられず、だんだんなつかなくなりました」
弁護人「それをみて夫は」
女性「『母親の愛情が足りてな…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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