夫の氏にレ点、「話が違う」けど… もやもやを原動力に

 神奈川県横須賀市の桜井彩乃さん(26)は結婚するとき、悩んだ末に自らが改姓することを決めた。選択的夫婦別姓は長らく議論されてきたのに、いつまでたっても具体化しない。「#いつになったら選べますか」。昨年11月、ツイッターで声を上げた。

 「私は姓を変えたくない」。そう言い切る桜井さんに、加藤裕介さん(33)は「自分は姓を変えることに抵抗がない」と応じた。

 6年前。まだ2人が知り合ったばかりで、付き合ってもいない時の会話だ。

 福島県で震災復興支援に携わる加藤さんのもとを、大学生だった桜井さんが訪ねた。意気投合したふたりは、どんな人生を思い描いているか語り合った。防災から人権や社会問題まで、問題意識が重なった。やがて交際が始まった。

 福島での経験から「地域に貢献したい」との思いを強めた加藤さんは、2017年6月に横須賀市議補選に立候補して当選。8月にプロポーズした。2人は交際3年の記念日になる翌年8月に婚姻届を出すことにした。

 18年夏。横須賀市内で一緒に暮らし始めた。

 桜井さんはある夜、リビングの卓上に書類が置いてあるのに気が付いた。

 「なんなの、これ!」

 思わず声をあげた。婚姻届に加…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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