熊本は県議47人中女性は1人。市町村を含む県全体で見ても女性議員が1人以下の議会は58・7%で全国ワースト5位と、全国でも特に女性の政治参加が阻まれています。昨年4月、超党派の女性議員たちが「くまもと女性議員の会」をつくりました。会長に就任したのが合志市議の坂本早苗さん(72)。今年1月には、仲間を増やそうと「女性のための政治入門塾」を開催しました。約30年にわたって女性のエンパワーメントに取り組んできた坂本さんですが、いま希望を感じているといいます。
【連載】Think Gender 2023 インタビュー
ジェンダー平等で、日本は世界水準から大きく遅れをとっています。それは、私たちの思考や日常にどのような影響をもたらしているのでしょうか。3月8日の国際女性デーに際し、記者が「いま、このテーマを、この人に」と思う相手に話を聞きました。
――政治入門塾には30~70代の女性16人が参加しました。
政治入門塾は念願でした。兵庫県小野市など女性議員が着実に増えている他自治体を見ると、行政や議員有志が女性を対象にしたリーダー育成塾を開いている。当初は行政や政党にやってもらいたいと思っていましたが、いっこうに動かない。だったら、自分たちがやるしかないと決めました。
開催できたのは女性議員の会がこの1年で、どんどん力をつけてきたからだと自負しています。
私は十数年前から、近隣市町村の女性議員と情報交換する会を開いてきました。女性は数が少なく議会でも孤立しがち。どんな風に質問したら適切な答弁を引き出せるのか。政策実現につなげることができるのか。互いの経験を共有して「じゃあ次は私もこんな風に聞いてみよう」と、議員としての能力を高めたり、支援者には理解されづらい悩みを相談したり。
ただ県内は広いし、いまだに家事や育児を担うことが多い女性は忙しい。男性のように飲み会を開いて集まってなんてできません。当初、参加メンバーは地域も数も限られていました。ところがコロナ禍でオンライン会議が一般的になったことで一気に輪が広がった。グループラインも併用して、公務や家事の合間に話しあうことができるようになった。
昨年4月に26人の有志で正式に発足し、現在は27人が参加しています。
実現した「すべての県立学校のトイレに生理用品を」
――どんな時に、女性議員の会が力をつけてきたと感じましたか
会でまず取り組んだのは、す…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル