夫婦の遺体、上半身に傷　逮捕のフィリピン人は以前長男と交際　足立

　東京都足立区千住緑町3丁目の住宅の床下で18日午後、2人の遺体が見つかり、警視庁は19日未明、フィリピン国籍で職業不詳のモラレス・ヘイゼル・アン・バギシャ容疑者（30）=足立区千住龍田町=を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。「私は知りません」と容疑を否認しているという。

　捜査1課によると、遺体はこの住宅に住む自営業の高橋徳弘さん（55）と妻で無職の希美江さん（52）と判明した。モラレス容疑者の逮捕容疑は、高橋さん夫婦の遺体を16日ごろ、住宅に遺棄したというもの。

　捜査関係者によると、2人の体の上半身などには刃物で刺されたような傷が複数あったという。同課は夫婦の死亡の経緯も調べる。

　モラレス容疑者が以前、夫婦と同居する30代の長男と交際していたことも捜査関係者への取材でわかった。長男だけでなく夫婦とも面識があったといい、同課が経緯を調べている。

　捜査1課などによると、16日午後8時50分ごろ、この住宅に夫婦と同居する長男から、「仕事から帰宅すると両親がおらず、自宅内の床に血痕を見つけた」と110番通報があった。

　警視庁が捜索して18日午後、3階建て住宅の床下からブルーシートに包まれた2人の遺体を発見していた。室内に荒らされたような形跡はなく、玄関には複数の血痕があり、一部は拭き取ったような跡があったという。

　高橋さん一家が住む現場の住宅は、JR北千住駅の西約1キロの住宅街で、約440メートル離れた場所にモラレス容疑者の自宅マンションがある。（増山祐史、遠藤美波、長妻昭明）