奄美通信員・神田和明
鹿児島県奄美大島で落差181メートルの滝を確認し、名称を公募していた奄美市は21日、公募を中止したと発表した。地元では古くから滝の呼び名があったといい、市は今後、地元の意向を尊重して名称を決めていく方針だという。
滝は東海岸の山中から海へと注ぎ、漁師らには知られていたが、全容が分かっていなかった。市内在住の写真家がドローンで全体を撮影。情報提供を受けた市が8月末、衛星による測量で落差を計り、今月10日に「九州最大級の滝を確認」と発表した。ホームページで滝の映像を公開し、名称の公募を始めていた。
ところが、住民から市に「古くから伝わる愛着のある名称がある。公募はやめてほしい」などと要望があり、市は17日に公募を取りやめた。すでに約3500件の応募があったという。
地元の小湊町内会の栄嘉弘会長(67)によると、古くから「クルキチ(黒い岩)の滝」と呼ばれ、かつて滝の上に「フツブル」と呼ばれた集落があったことから「フーチブルの滝」の名称でも親しまれていた。
市は、公募にあたり地元の聞き取りなどはしていなかったといい、朝山毅市長は21日、「事前の周知と調査が不十分だった。地元のみなさんに心配をかけ、大変申し訳ない」とのコメントを出した。(奄美通信員・神田和明)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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