奄美群島、日本復帰70年の式典 「結の精神に学び新しい時代を」

 戦後、米軍政下に置かれた鹿児島県の奄美群島が日本に復帰して12月で70年になるのを前に、地元12市町村などが主催する記念式典が11日、奄美市であった。自治体や商工観光、学校関係者ら約千人が参加。同市の安田壮平市長は住民らによる復帰運動の歴史を踏まえ、「行動力や団結力、助け合いの『結(ゆい)の精神』に改めて学び、新しい時代を築いていく力としたい」と語った。

 米軍統治で遅れた戦後復興を後押しするために設けられた時限立法をルーツとする奄美群島振興開発特別措置法は、来年3月に期限が切れる。来賓の斉藤鉄夫国土交通相は「特措法の施策を継続するため、法案の検討を進めている」と述べ、沖縄とも連携した地域振興の必要性を訴えた。

 奄美群島は戦後、沖縄とともに日本本土から行政分離され、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約の発効で日本が独立を回復した後も米軍政下に置かれた。本土との往来や物流が制限され、経済的に困窮。復帰運動が高まり、53年12月25日に日本に返還された。

 群島には多種多様な固有動植物が生息し、奄美大島徳之島の一部は2021年、沖縄県の一部とともにユネスコ世界自然遺産に登録された。(野崎健太)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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