奈良の「おいしいもの」を探して 甘~いアレ実は名産、在京人気店も

 文豪・志賀直哉は自身の随筆で、奈良県を「食いものはうまい物のない所だ」と評した。生まれ育った身として、これに異を唱えたい。

 奈良が隠れたイチゴの産地だということを知っているだろうか。農林水産省の統計によると、2020年の収穫量は2290トン。全国1位の栃木県は2万2700トンで、10倍近く差がある。ただ、奈良県産イチゴの魅力は量ではない。県内限定でつくられる、独自品種がうまいのだ。

「奈良にうまいものなし」。奈良県出身の記者が、子どもの頃からずっと聞かされてきた言葉を否定すべく、うまいもの探しの旅へ!故郷から遠く離れた東京で出会ったのは県産イチゴ。甘~い独自品種、君の名は――。読者プレゼントもあります。

 奈良のイチゴが食べられると聞き、東京スカイツリーをめざした。お目当ては、タワーふもとの「堀内果実園ソラマチ店」(東京都墨田区押上1丁目)。運ばれてきたものを見て、のけぞった。

堀内果実園ソラマチ店の「ツリー園」。1段のみの「古都華園」(税込み2680円)もある=2022年2月25日、東京都墨田区押上1丁目

 2段重ねのグラスにびっしりとイチゴが敷き詰められたパフェ。高さ40センチ。スカイツリーをイメージした「ツリー園」(税込み5300円)。使われるイチゴは、全て奈良県産の「古都華(ことか)」だ。

 頂上のイチゴにかじり付く…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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