「一目千本」と称される桜の名所、奈良県の吉野山の桜の苗を、京都・嵐山に植樹するプロジェクトが進む。かつて桜色に彩られた嵐山だが、今は山肌に山桜がぽつぽつと見られるのみ。関係者は「吉野山のような美しい桜の風景を嵐山によみがらせたい」という。
約3万本とも言われる吉野山の桜の由来は約1300年前にさかのぼる。修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が蔵王権現を桜の木に刻み、吉野山に祀(まつ)った。桜は「御神木(ごしんぼく)」となり、信者らの献木で植え続けられるようになった。
鎌倉時代、吉野山の桜をこよなく愛したのが、嵐山に離宮・亀山殿を築いた後嵯峨上皇だ。かつて見た桜の美しさを嵐山に再現しようと、吉野山から嵐山に桜を運ばせて植え、愛(め)でたという。
明治以降、嵐山は「受難」
「故事を現代の嵐山によみが…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル