奈良県では1日あたりの感染者数が8日に88人と4日連続で過去最多を更新したが、荒井正吾知事は新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づくまん延防止等重点措置(重点措置)の適用申請について、慎重な姿勢だ。
荒井知事は8日の記者会見で「適用には思い込みでなく、必要性を実証する必要がある」と強調。適用申請に向け、「県内の飲食店での感染事例がどれほどあるかを奈良市と調査し、必要性のある実例があれば要請したい」と、実態調査を実施する意向を明らかにした。
荒井知事は奈良市からの報告では3月以降に市内の飲食店での感染は5店舗だったとし、「(奈良市内の)1500店舗に時短要請するのには5店舗ではバランスが課題」と述べた。奈良市の仲川げん市長は7日に「(市内の飲食店での感染が)大半ではないが、見過ごせない程度にはある」と述べ、重点措置を適用するよう求めている。
一方、県の調べで3月1日~4月4日の感染者のうち、感染経路が県外の感染者と判断した61人のうち、3分の2にあたる40人が大阪府と行き来したことがあり、県は8日、「感染は大阪由来が大半」と公表した。そのうち4割は飲食やカラオケなどが要因とみている。大阪由来の40人は10~50代で9割を占めた。
荒井知事は「若者が大阪に行って感染して帰ってくる。感染動向の波もぴったりな大阪とは一蓮托生(いちれんたくしょう)。大阪との行き来が最重要事項で、大阪へ行ったときも帰ったときも注意をしてほしい」と話した。(平田瑛美)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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