かんぽ生命の不正販売問題で、顧客が一定期間内に契約を解除する「撤回」が多数あったことが内部資料でわかった。2017~18年度は申込件数の約3・5~4%の年6万~7万件ほどで、「撤回率がかなり高め」との声が同業他社からあがる。不正を詳しく調べている「特定事案」以外でも、顧客へ不利益を与えかねない無理な営業が横行していた疑いがあり、金融庁も実態解明を求めている。
かんぽの保険には、契約書類受け取りから8日以内なら申し込みを取り消せるクーリングオフに加え、保障開始日(申し込みから最大3カ月先まで)前に申し込みをとりやめられる制度がある。保険を売る郵便局員らによると、無理な勧誘を受けた高齢者が家族へ相談し、申し込みを撤回する事例が目立つという。
撤回すれば、顧客の金銭的な不利益は発生しない。ただ、ある局員は「子と離れて暮らす単身の高齢客だと、意に沿わない契約に気づかず撤回期間が過ぎることもある」と案じる。
かんぽが昨年4月にまとめた資料「募集品質・全国カルテ」によると、クーリングオフを含む「撤回」は17年度に申込件数の4%の7万3306件、18年度に同3・5%の6万3832件。30件に1件超の申し込みが撤回された計算だ。
複数の大手生保に取材すると、8日以内のクーリングオフ発生率は多くが0・1%以下。かんぽの撤回制度は最大3カ月先までと期間が長く単純比較はできないが、「撤回率4%はかなり高い印象だ」(大手生保幹部)との声は多い。
同資料によると、保険料を一度…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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