奥深いパンチパーマの世界 最新スタイルに映る理容技術



 茨城と言えば、何を思い浮かべるだろうか。「納豆」「水戸黄門」。「ヤンキー」という人もいるかもしれない。茨城から遠く離れた大阪で生まれ育った記者も、テレビ番組などの影響か、そのイメージは強かった。

 2019年春に新米記者として水戸市に赴任したが、いわゆる「ヤンキー」スタイルの若者は、あまり目にしない。とはいえ、何か取材できるようなネタはないものかと思っていたところ、先輩記者から聞いたのが、「パンチパーマやリーゼントで人気の散髪屋があるらしい」という情報。「茨城 パンチパーマ」「茨城 ヤンキーカット」など、様々なワードをネットで検索すると、茨城県筑西市にある床屋「ヘアーサロン アオキ」が高確率でヒットした。行くしかない――。

 店があるのは、県西北部の筑西市。12月上旬の夜、店を訪れた。

バリカン4種類、巧みなグラデーション

 午後7時半すぎ、作業着を着たとび職人風の男性が店に入ってきた。短く刈り上げた頭に、整えられた眉毛。迫力を感じながら見つめていると、店主の青木隆明さん(51)が「いつものカット?」と声をかけた。

 青木さんは長さが違う4種類のバリカンをこまめに持ち替え、微妙なグラデーションをつけていく。その後、頭に白い天瓜粉(てんかふん)をつけ、鮮やかな手さばきでカット。白い粉で髪の凹凸が見え、伸びている部分がわかりやすくなるという。もみあげと襟足をそり上げ、約1時間で「スキンフェード」と呼ばれる髪形が完成した。4400円。

 男性は、同市のとび職親方の磯大樹さん(26)。中学2年の頃、地元の夏祭りに合わせて刈り上げにするために店を訪れてから、10年以上通い続けているという。「不良スタイルが全盛だった80年代にはやった髪形にしてみたかった」と、高校時代はパンチパーマに。「髪形が整わなければ私生活も仕事もやる気が出ない」と現在も週1回のペースで通う。この日も、翌週の予約を取って帰っていった。

これはもう、やるしかない…。記事後半の動画では、新米記者が流行の「前向きパンチ」に人生初挑戦、青木さんの技が光ります。

「女性客が3割」の頃もあったが

 同店には、リーゼントやパンチ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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