能登半島地震の被災地では、上下水道の損傷が大きく広がったことが復旧の遅れにつながっている。これまでに3回被災地を回り、被災状況を見てきた金沢大学の宮島昌克名誉教授(ライフライン地震工学)は、復旧の難しさを四つ指摘したうえで、「国が本腰を入れなければ、次の災害でまた同じことが繰り返される」と話す。
「被害は近年最大」
宮島教授は水道復旧に時間がかかっている理由の一つ目として、「国内の直下型地震としては被害が近年最大で、多くの水道施設や管路が壊れたことが大きい」と指摘する。
二つ目は構造的な要因だ。大都市にみられる網の目状とは異なり、上流につながっている太い水道管から各家庭へ放射線状に細い水道管が広がっている。
この太い水道管を直さない限り通水できず、漏水調査して修繕し、また漏水箇所がないか確認し、という「尺取り虫に似たような方法なので時間を要する」という。
三つ目は地理的な要因だ。奥…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル