奥能登の集落襲った津波 地上2メートルに痕、波打ち際に家屋も

【動画】津波の被害を受けた石川県能登町白丸地区。海岸線まで流された家屋も=林敏行撮影

 津波が押し寄せ、火災も発生したとみられる石川県能登町白丸に3日、記者が陸路で入った。

 波打ち際に浮かぶ家屋。折り重なるがれきや車は黒く焼け焦げ、原形をとどめていない。一帯は地震発生3日目も煙がくすぶり、焦げた臭いが漂っていた。

 道路に散乱するがれきに車の行く手を阻まれ、歩いて海岸沿いへ向かうと男性に声を掛けられた。沖合に浮かぶ船を指さし「写真を撮って欲しい」という。写った船は転覆し、船体横に書かれた識別番号や船名は見えない。「これじゃあ誰のかわからないね。自分の船も捜したけれど見つからなくて」

 一緒にいた女性の手には大きなポリ袋。中にはぬれた衣類が入っていた。「孫の制服だけ持って帰ってきた。学校が始まったらいるだろうし」

 集落の中にあるガソリンスタンドの壁には、地面から2メートルほどの高さに津波の痕とみられる泥がこびりついていた。

 海の近くにはぬれたクマのぬいぐるみが転がり、津波で流されたとみられるアルバムの写真が、冷たい雨を浴びていた。(林敏行)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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