本田大次郎
北海道旭川市は、いじめの相談を受け、解決に向けて対応する部署を、市長の権限が直接及ぶ市長部局に新設する検討を始めた。2023年度の運用開始を目指し、今月から視察などの調査を進める。今津寛介市長は「学校や教育委員会以外にも、第三者の視点で対応する部署が必要」としている。
同市では今年3月、当時中学2年生の広瀬爽彩(さあや)さん(14)が遺体で見つかり、市教育委員会の第三者委員会が過去のいじめの有無などを調査している。遺族は広瀬さんが中1の時にいじめを受け、「学校に何度も相談したが対応してくれなかった」と訴えている。市教委も当時、いじめの認知には至らなかった。
そのため、9月に就任した今津市長は、いじめに対応する部署を市長部局に新設する方針を打ち出した。全国では大津市や大阪府寝屋川市などが、市長部局にいじめ対応の部署を設置しており、今津市長と担当職員が22日から視察する。今津市長は「広瀬さんの問題は、当初は市教委からの情報だけだったため、いじめの疑いがある重大事態としての認定が遅れた。市長自らが情報を把握し、市長部局が第三者の視点で対応する必要がある」と説明する。
旭川市では以前から、いじめ防止条例の制定を検討している。来年度はこの条例に、今回検討する組織についても加えられるか議論をするという。担当部署は23年4月の発足を目指す。(本田大次郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル