国際女性デーの8日夜、名古屋・栄では性差別や暴力に反対する「ウィメンズマーチ名古屋」があった。
久屋大通公園では参加者が、「未来の子どもたちが性別のために困らないように」「弱き者が救われる社会に」などとスピーチした。主催の「女性によるセーフティネット愛知」代表の藤原はづきさんは、中高年の女性の貧困率が高いことを挙げ、「依然として女性の社会的立場は厳しい。もっと未来に希望を持てる暮らしに」などと訴えた。
その後、「選択的夫婦別姓の実現を!」「連帯しよう」といったプラカードを掲げ、繁華街を歩いた。(小原智恵)
女性起業家も結集「女性がひとり立っていくのは大変」
8日昼には、愛知県内の女性起業家が起業家コミュニティー「リリウム・ウーマン・ナゴヤ」を立ち上げた。事業の課題や仕事の困り事、ジェンダーの課題をともに乗りこえ、切磋琢磨(せっさたくま)しあえる場を作ることが狙いだという。
メンバーは、オンライン幼児教室の運営やオリーブ農家などキャリアは多彩だ。自治体による女性起業家の支援プログラムの受講者ら16人が参加する。
共同代表を務める奥村まみ子さん(47)はスクール事業を2016年に立ち上げた。「女性がひとりで立っていくのは大変。周囲に相談できる人がいないと、モチベーションもあがらず、事業継続が難しくなることもある」
日本政策金融公庫によると、週35時間以上働く「起業家」の女性の割合は24・4%。女性起業家は年々増える一方、現実との乖離(かいり)はまだある。
奥村さんは、「バリバリ働くのが当たり前の世の中になった一方、では家へ帰ってご飯を作るのは誰? 洗濯や掃除は? 実際はそういう現実との戦い。つらいことを言い合えて、事業を後押しできる情報共有の場にしたい」と語る。
ファッション小物の小売り事業を立ち上げた熊谷桜さん(33)は、「それぞれ個性があり、たくさんの人が関わることで凸凹を埋めあうように成長できる。事業を通してひとりひとりが輝いていく世の中になれば」と願う。(斉藤佑介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル