日本に生まれる子どもが減り続けています。政府は「異次元の少子化対策」を掲げますが、異次元なのは少子化そのものであり、私たちの生き方や社会のあり方に挑戦状を突きつけているかのようです。
ジェンダーの視点で少子化対策を考えると、どんな問題が浮かび上がるのか。ニッセイ基礎研究所の人口動態シニアリサーチャーである天野馨南子さんに聞きました。
――少子化対策として最も重要なことは何でしょうか。
「夫婦が生涯に持つ平均子ども数とされる『完結出生児数』は1970年代以降に徐々に下降してはいるものの、およそ2で推移しています。この40年以上、夫婦から生まれる子どもは約2人で、大きく減ってはいないということです。日本の少子化は夫婦あたりの子ども数の減少ではなく、夫婦が形成されないこと、つまり未婚化が大きく影響しています」
――女性の社会進出が少子化の理由だと考える人もいます。
「高学歴化と企業における女…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル