まだ肌寒い3月3日の午後3時。神戸市須磨区の塾講師久米智子さん(65)は、通勤途中に銀行へ立ち寄ろうと、いつもより30分早く家を出た。
10分ほど歩くと、交通量の多い片側2車線の市道の上にかかる北落合橋が見えてくる。見慣れた景色だが、この日は違った。
橋の左側の欄干に、人がよじ登っていた。
「何をしているんだろう」
疑問に思って近づくと、ブラウス姿の女性だった。家からそのまま出てきたような、季節外れの薄着。欄干から上半身を乗り出していた。
命が無くなってしまうかもし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル