安定的な皇位継承のあり方に関する有識者会議が示した政府への報告書の骨子は、課題整理や対策の併記にとどまった。国会の付帯決議に政府が応えるために設置した会議だが、世論を二分しかねないテーマを前に結論が先送りされた。
有識者会議は今年3月に発足した。断続的に会議が開かれていた今夏、政府高官は「話を詰めていくと女性・女系天皇の話にも触れざるを得なくなり、非常に話が大きくなる」と漏らしていた。
会議では、皇族の減少にどう対応すべきかが論点となった。だが、女性天皇や母方にのみ天皇の血筋を引く「女系天皇」を認めるべきだとする意見の一方、男系男子による皇位継承の維持を重視し、女性・女系天皇には否定的な声も根強い。岸田文雄首相が9月の自民党総裁選で女系天皇に「反対」と明言するなど、皇位継承の議論が本格的に進む環境にはなかった。
政府は会議の設置にあたって、2016年に当時の天皇陛下が退位の意向を示したことを受けて設置された有識者会議とはメンバーの起用方針を大きく変えた。選ばれたのは学者や俳優ら計6人で、専門性よりも「国民の感覚を持っていること」を重視した。
現在の皇位継承順位は変えな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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