2020年4月に国家公務員に採用された総合職のうち、女性の比率は35.4%で過去最高を記録した。 【全画像をみる】女性官僚が過去最高に。激務なのに人気の理由は「男女平等なキャリア昇進」 霞が関の官僚の激務が問題視され、近年は国家公務員の志望者数は減少傾向にある。 一方で、女性官僚の比率は、10年ほど前から増加。6年前の2014年の23.9%に比べると10ポイント以上も増えている。 なぜ女性官僚が増えているのか? 一つの原因として、官僚のキャリアは男女の性差が少ないことがあると言える。官僚になるためには、男女ともに国家公務員試験を突破する必要があり、民間よりも、より透明性が高いキャリア形成が見通せる。 4月に入省したばかりの、新人女性官僚からは「男女の差のないキャリアの在り方に魅力を感じた」という声があった。とはいえ一方で、「激務のため続けられるのか不安」という声が聞かれるのも事実だ。
「より国民のためになる行政に」
「証拠に基づいて政策を作ることで、行政の効率化に貢献し、より国民のためになる行政にしていきたいと思っています」 2020年4月、総務省に入省した政策評価課の山岸茉莉子さん(23)はそう話す。 山岸さんは東北大教育学部で社会調査や計量経済学を学んだことで、官僚の仕事に興味をもったという。 「総務省では、広い政策分野で目的と手段が合っているか、証拠に基づいた議論がなされているかといった視点で、制度設計に携わりたいと思っています」 官僚としてキャリアを重ね、将来的には家庭を持つことも考えている。 「育休から復帰しテレワークや時差出勤を組み合わせて働いている女性の上司もいて、女性でも働きやすい職場だと感じています。 確かに国会対応の時期には深夜まで働いたこともありましたが、それも1週間ほどで一時的なものでした。昇進に関しても男女の差がないと感じていて、平等な点が魅力だと思っています」
女性の管理職も増加
内閣人事局によると、女性の採用が増えている一方で、女性の管理職比率も高まっている。 国家1種資格の職務では、2020年3月時点で、「室長級」の女性比率は11.8%(1782人のうち女性は210人)。「課長級」は6.1%(1664人のうち102人)だった。 「本省課長補佐相当職」で見ると、2008年は女性比率が5.2%だったが、2019年には11.6%に増えている。 「女性の登用比率は増加しています。一般職も含めた国家公務員の採用で、女性が3割を超えたのは、女性活躍の取り組みが本格化した2015年度から。省によっては5割、6割というところも出てきています」 内閣人事局の永田真一企画調整官はそう話す。女性管理職の増加については、これまでの取り組みの成果が出ていると説明する。 「各府省では女性官僚に対し、早い段階からキャリアパスを提示したり、出産や子育てなどのライフイベントを踏まえて職務経験を積んでもらったりしてきました。 仕事と生活を両立していける環境整備を進めてきた成果が出てきていると感じています」(永田氏)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース