台風19号では多くの人が車内で犠牲になった。宮城県大和町で、車ごと流された妻を助けられなかった夫は、大雨の時に危険な外出はしないでと訴える。「これ以上悲しむ人を増やさないで」――。
12日午後11時、大和町鶴巣に自宅がある石川喜巳穂(きみお)さん(66)は、利府町で夜勤仕事に就いていた。富谷市でパートをしている妻ゆきみさん(58)が、帰宅の途につく時刻。メールを送った。「気をつけて。水たまりはゆっくり走れよ」
11時20分、切羽詰まった電話がかかってきた。「助けて!お父さん!」
道路の冠水でエンジンが止まり、車が浮いて流されているという。ドアから水も入ってきた。ふだん使う西川沿いの道路は危ないと思い、県道3号を回ったらしい。「すぐ行くから。車から外に出ろ」
喜巳穂さんは県道3号を北へ急いだ。
水たまりを突っ切ろうと加速し…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment