東京都国立市の都営住宅9階から妻を投げ落として殺害したとして夫(44)が殺人容疑で逮捕された事件で、死亡した高張麻夏さん(当時41)の母親によると、麻夏さんは待望の長女(1)を授かり、育児を楽しんでいた。その一方で夫婦げんかが絶えなかったという。母親は、高張潤容疑者(44)が逮捕された28日、取材に「帰省させていればこんなことにならなかったのに」と語った。
麻夏さんは数年前に高張容疑者と結婚し、2019年11月に長女を出産。最近は、日常生活や育児を巡って夫婦間で口論し、長女を連れて一時家を出たこともあった。ただ、都営住宅に住み始めたばかりで「せっかく新しい家に引っ越してきた。頑張ってみる」と話していたという。
母親によると、麻夏さんは事件が起きたとされる昨年11月29日も高張容疑者とけんかをしたとみられ、夕方に「何かされるかもしれない」というメッセージが来た。「何をされるの?」と尋ねると、「何か分からない」といった返信があり、その後連絡が途絶えたという。
母親は、麻夏さんの長女を引き取った。「そばにいるのが当たり前の娘で、私にさみしい思いをさせたことはなかった。娘を返して欲しい」と話した。
高張容疑者は事件後も勤務先の工務店で普段通り働いていた。親族によると、麻夏さんについて「ベランダから落ちていた。自殺だと思う」と周囲に説明していたという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル