東京・池袋で車が暴走し12人が死傷した事故で、警視庁は12日、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)=東京都板橋区弥生町=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで書類送検し、発表した。妻子を亡くした会社員男性(33)が都内で記者会見し、「スタートラインに立った」と述べ、厳罰を求めるとともに事故防止に取り組んでいく決意を改めて語った。
交通捜査課によると、飯塚元院長は4月19日昼、豊島区東池袋4丁目の都道で運転中、ブレーキと間違えてアクセルを踏み続けて赤信号の交差点に進入するなどし、松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)を死亡させ、2歳~90代の男女9人に重軽傷を負わせた疑いがある。自身も重傷を負った。
この直前、左カーブで他の車両を避けようと加速しながら蛇行した末、縁石に接触していた。これまでの調べに、ほぼ一貫して「ブレーキが利かなかった」と説明しているが、車に異常は確認されておらず、警視庁は動転して踏み間違えたたとみている。書類送検にあたり、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
会見で男性は、時折目に涙をためながらも、しっかりした口調で話した。事故からの7カ月間を「葛藤する日々」と振り返り、「どうすれば前を向けるんだろう。憎しみにとらわれたら2人は悲しむのでは。2人への愛と感謝で心を満たそうとした」。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル