始まりは大水害 山奥のギャラリー、移住職人たちの家具

 村の96%を森林が占める奈良県十津川村。緑豊かな山奥に、ポツンと立つ白壁の小さな建物がある。村の木材を使った家具を展示するギャラリー兼カフェの「KIRIDAS(キリダス) TOTSUKAWA(トツカワ)」だ。村の森林組合の製材所跡を改築した約80平方メートルの店内は、木目が美しいヘリンボーン柄の床が広がる。テーブルやソファなどスギ・ヒノキの個性を生かしたシンプルなデザインの家具が並ぶ。

 きっかけは、2011年の紀伊半島大水害だった。村は土砂崩れなどで大きな被害を受けた。林業再生のため、木の生産から加工・流通までを担い、付加価値をつけて売り出す「林業の6次産業化」に村は乗り出した。KIRIDASは村で作られた家具の魅力を発信する拠点として17年4月にオープン。店名は「木を伐(き)り出す」に由来する。

 店は県外から移住してきた若手の家具・木工職人らが運営する。中山直規さん(37)は、4年前に埼玉県から移住した。村の木工家具協議会の職員から技術を学んで、家具職人になった。自然任せに育った十津川村の木は目が粗く節も多いが「家具にすると魅力が出る。奥深く面白い」と話す。店の営業日以外は隣接する工房で、受注生産の家具作りに取り組んでいる。

 併設のカフェでは、実際に家具…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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