17日午後3時半、神戸市灘区の警備員、田村稔さん(77)は東遊園地の「慰霊と復興のモニュメント」で手を合わせた。
1995年1月16日夜。寝室で小学5年生の長女・紗綾香さん(当時10)は枕元に置くお茶を用意していた。「風邪をひいて、のどが渇くと思ったから」「自分で用意したのか。賢いね」。ほめられてにこっとした笑顔が今も忘れられない。
翌17日午前5時46分。家族5人で住んでいた木造2階建ての文化住宅は全壊。1階の2段ベッドの上段で寝ていた紗綾香さんの姿が見えず、呼んでも返事がない。借りてきたノコギリで木材を切り、がれきの外に出したが、落ちてきた天井に胸を圧迫されて亡くなっていた。「顔はきれいで、眠っているようだった」
がれきの中から見つかった貯金箱
3人きょうだいの末っ子。素…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル