使い古されたお気に入りの日記帳に、きちょうめんな文字が並ぶ。
「バイトが決まった。嬉(うれ)しい」
昨年12月3日の欄に、そう記した。パソコンやスマホの使い方を教えるアルバイト。半年探してやっと仕事が決まった日だ。
前のバイト先だった宿泊施設は、正社員も望めそうだった。でも、勤めて3カ月ほどで休業を言い渡された。原因はコロナ禍。しばらく、日記をつける気をなくすほど、落ち込んだ。
何でこんなに、時代に振り回されるのだろう。
コロナ禍は、個人ではどうにもならない理由で暮らしが大きく変わってしまうことを痛感させました。やむをえず不本意な状況に陥った人たちに、政治は届いているでしょうか。就職氷河期世代の女性と、母親の日々をたどります。
女性(43)は1978年、三重県で生まれた。
他県にある大学に進み、デザインを学んだ。卒業は「就職氷河期」のさなか。20~30社ぐらい採用試験を受けても、新卒では決まらなかった。友だちも苦しんでいたし、若いからまだ何とかなると思っていた。
実際、ファッション関係のバ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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