日本はもっと、性教育に時間をかけるべきだ――。名古屋・栄の繁華街近くで「ココカラウィメンズクリニック」を開く伊藤加奈子院長は、そう訴えます。診療の傍ら夜の街に出て、家庭や学校などに居場所のない子どもたちを支援するボランティア活動に取り組む伊藤さん。少女や若者たちとの関わりから見えた、日本の性教育の課題とは。
――中学校での講演で、妊娠や性感染症について具体的な例えを用いて説明していますね。
診療などを通じて子どもたちに向き合う中で見えた彼らの疑問や悩みを踏まえつつ、わかりやすく、なるべくインパクトを持って伝えるように心がけています。
例えばエープリルフールにセックスをして妊娠したら、赤ちゃんはいつ生まれてくるのか。意外と早くて、クリスマスには出産を迎えます。中絶の選択ができるのはお盆くらいまで。産もうか、どうしようかと葛藤する時間は、実はとても限られていますが、あまり知られていません。
また、学校では避妊の方法としてコンドームを取り上げますが、破れたり外れたりするリスクがあり、使用しても1年間で100人に約2~15人が妊娠する可能性があるとも言われています。性感染症予防のためには役立ちますが、避妊のためには女性も低用量ピルを服用するなど、複数の手法を組み合わせることが世界的に推奨されています。
つながらなかった電話
――性教育に本格的に取り組むようになったきっかけは。
最初から力を入れていたわけ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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