嫌われ教師だった自分、繰り返し思い出す がん治療機に

(悩みのるつぼ) 相談者

 40代女性です。予後の厳しい種類のがんと診断されて治療中です。過去の失敗や嫌なことを繰り返し思い出し、まだ起きていないことまで心配するのをやめて、どうしたら心穏やかに過ごせるのか教えてください。

 20年近く教員として働いてきましたが、治療のため、急に仕事に行かなくなりました。生活の激変に心がついていけず、過去に反発されたこと、受けたクレームなどを繰り返し思い出しています。厳しい先生として嫌われていた自分を受け入れられないのだと思います。

 その時は一生懸命やってきたわけだし、これまでクビにならず訴訟にもならず産休・育休以外休まず頑張ってきて、慕ってくれる子もそれなりにはおりました。同僚・先輩には評価され、対外的な仕事もこなしてきました。けれど自分にとって教員の仕事の本質だと思う子どもとの関わりが、うまくできなかったと後悔しているのです。

 ただの仕事、向いていなかったんだと思えばいいとも考えるのですが、将来、自分の子どもが「お前のお母さん、嫌われてたよ」なんて言われることまで妄想し、家族にも申し訳ない気持ちになってしまいます。

 再発と死への恐怖、家族への申し訳ない気持ちとの闘いに加えて、これまでの仕事人生を勝手に決算しての苦しみを、どうすれば乗り越えて前向きな気持ちになれるでしょうか。

回答者 政治学者・姜尚中

 予後の厳しい悪性のがんと診断…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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