さわると悪臭を出す、別名ヘッピリムシ。そんなカメムシを「宝」にした岩手県葛巻町の小学校の実話が絵本「わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話」として出版された。学校に何種類かいると気づいた校長が、「みんなでカメムシ博士になろう」と呼びかけたことがきっかけだった。
実話の舞台は町立江刈(えかり)小学校。2012年春、小野公代さん(64)が校長として赴任した。当時は木々に囲まれた古い木造校舎で、教室の窓や床など至る所にカメムシがいた。職員会議中に天井から落ちて悲鳴が上がったこともあった。
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秋ごろ、小野さんは子供たちと掃除中に、カメムシが何種類かいることに気づいた。形が細長かったり、斑点があったり。「子供たちがカメムシの名前を言えるようになったら、すてきかも」とひらめいた。「困ったなと考えているよりは、何とかできないかと考える方が楽しい」という小野さん。早速、専門家が使う図鑑を購入した。
13年4月、最初の朝会で全校児童にこう呼びかけた。「カメムシがそろそろ出てきます。何種類ぐらい見つけられるかな。見つけたら校長室に持っておいで。私が調べます」
当時の全校児童は29人。まず…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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