長い休校が明けて再開した学校では、新型コロナウイルスの感染防止、遅れた授業の挽回など、前例のない難しい役割が教員たちに求められている。福岡県筑豊地区の小中学校で働く5人に学校現場の実情や戸惑いについて語ってもらおうと、6月下旬に飯塚市内で座談会を開いた。(聞き手は坂本公司、長美咲) 【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に
-感染の場とならないよう、学校ではさまざまな対策を打っている。新たなルールを守らせるなど児童生徒の協力なしには成り立たないものも多いはず。苦労している点は。
A 一番、守ってもらうのが難しいのはソーシャルディスタンス(社会的距離)。子どもたちは近づきたがるし、久しぶりに学校に来て会ったらハグしたいもの。そこは目をつむっている面もある。 B 児童がくっついてきたら振り払えない。教師として最初の年だし、そういうことから関係をつくっていくところもある。 D ハグされたら、こっちは手を添えないようにするだけとか。「3密だよ」と時々注意はするが、なかなか難しい。 A 中学は部活でも難しい問題がたくさんある。バスケットボールは対面で近づいてやるのが前提だが、先週からやっとパスや試合形式の練習ができるようになった。それまでは一人ずつドリブルやシュートの練習だった。複数の生徒が同じボールに触れないよう、個人で1個ずつボールを管理させた。解禁になった練習試合で他校に行くときも、そのたびに保護者から参加同意書をもらっている。
-ソーシャルディスタンスなどについてルールを守らせるよう、管理職から注意されることはあるか。
C 学校再開当初は結構あった。 D ただ、今は緩みつつある。ルールを厳密にしすぎると学校生活ができないと思う。
-授業のやり方にも制限があるのでは。
C 6年生の理科の授業に関して文部科学省からの指針を見たら、理科の実験は「感染リスクが高い学習活動」に挙げられていた。でも映像を見せて終わり、という教え方は子どもの学びにとってどうなのか。体験させたいという思いがあり、葛藤がある。グループごとの話し合い活動もできない。 E 音楽では合唱じゃなくて「ハミング」をするという学校もあるそうです。文科省からの指針やQ&Aは明確ではないし、忙しすぎて読み込めない。 C 小6の体育は週3時間と決まっているが、まだやりにくい。隔週で1時間などに抑えている。体育が好きな子にとってはつらいでしょう。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース