中村英一郎
東京都世田谷区議会で、区内の小中学生が学習用タブレットで検索した履歴を学校側が閲覧できる機能の活用が議論され、区議から「検閲めいている」などとの指摘を受けて区教育委員会が撤回していたことが分かった。
区教委によると、昨年6月、子どもたちがインターネットで検索している言葉を把握、検証しようと、区内の四つの小中学校で試験的に検索履歴を閲覧できるフィルタリングソフトを導入することを、区議会の常任委員会で報告した。
これに対し、上川あや区議は、例えばLGBTなどの性的少数者の子どもは悩みを学校や親に相談しづらい場合が多いと指摘し、「検閲めいている。秘匿性の高い悩みを学校側に把握されてしまう」と批判。子どもの内心への配慮を欠き、不適切だと指摘した。
これに対し、渡部理枝教育長は、履歴の把握は自殺を試みる子どもを守ることなどが目的だった、とした上で「白紙に戻して考える」と答弁。区教委は翌7月、導入するフィルタリングソフトの検索履歴閲覧機能を「取り扱わない」と伝えた。
区教委は取材に「子どもの内心に関わるかもしれないとの指摘を受け、取り扱わないことにした」とコメントした。(中村英一郎)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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