昨年から顕著になってきた物価高の影響が、子ども食堂の運営にも出始めている。食材や容器代の値上がりに、苦しいやりくりを強いられている。
東京都新宿区百人町のNPO法人キッズ未来プロジェクトが運営するこども食堂「ニコニコ子どもひみつ基地」は、同区内の生活保護世帯や住民税非課税世帯を中心に、約20世帯の親子約60人に弁当を配っている。年間3千円の会費で、月5回、食事を提供する。かつては食堂形式だったが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、弁当配布に切り替えて活動する。
しかし昨秋ごろからの物価高で、食材や調味料が高騰。中でも、昨年末まで約190円だった卵10個入りのパックは、50~60円も値上がりし、手が出せなくなったという。寄付された調理済みのきんぴらゴボウの大袋は、天ぷらにしたり、マヨネーズとあえたりと、いろんな料理にリメイクし、新たに買う食材を減らせるように、品数を増やしている。企業から提供された防災用の米も、すぐに弁当に使うなどして、しのいでいる状況だ。
しかし、弁当容器の仕入れ価格は昨年に比べて3割、遠方の家庭に弁当を届けるための段ボールは2割ほど値上がりした。清潔な段ボールは再利用するなど、少しでも費用を抑えるようにしているが、物価の上昇に比べると微々たる額だという。
同食堂では、新型コロナが「5類」に引き下げになることで、食堂形式での活動を再開する方向で検討している。
同食堂代表の猪爪まさみさんは「助成金や寄付でやりくりしているが、経済的にギリギリ。食堂形式で運営し、利用者さんの心も満たしてあげられるよう、工夫して、活動を続けていきたい」と話している。
食材などの寄付は「ニコニコ子どもひみつ基地」(https://shinjuku2525.jimdofree.com
NPO法人「全国こども食堂支援センターむすびえ」が、全国のこども食堂に、物価高に関するアンケートをしたところ、約8割の運営者から、費用負担が増えているという回答があった。中には、参加者全員に配れていないところもあった。
「こども食堂の現状&困りご…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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