親が子どもに体罰を加えることを禁じる改正法の4月施行を前に、厚生労働省は18日、体罰の具体例などを示したガイドラインをまとめた。ただ、「しつけができなくなる」などと体罰禁止に反対する意見も根強い。専門家は、単に法律で禁じるだけではなく、「体罰によらない育児」を広める必要性も指摘する。
体罰禁止は、保護者による相次ぐ虐待事件を受け、昨年6月に成立した改正児童虐待防止法などに明記された。ガイドラインは体罰の具体的な線引きを示すもので、「言うことを聞かないので頬(ほお)をたたいた」「いたずらをしたので長時間正座をさせた」など、具体例を列挙=表。こうした行為は「どんなに軽いものでも体罰に該当し、法律で禁止されます」とした。
ただ、厚労省が昨年末にガイドライン案を公表すると、ネット上などでは「しつけは、時には手を出さなければいけない」「理詰めで納得させるには、相手も大人として成熟していないと無理」などと、反発する声が相次いだ。厚労省にも63人から意見が寄せられ、なかには「自分で痛みを知らない人間は他人の痛みを理解できない」などの声もあったという。
体罰を容認する意識の根強さは、民間の調査結果でも出ている。子どもの貧困支援などにあたる公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が、全国の20歳以上の男女約2万人に2017年に実施した意識調査では、「しつけのための体罰」を容認する人は約6割にのぼった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル