御嶽山の噴火で亡くなった所祐樹さんと恋人の丹羽由紀さんの一生を綴った「ひまわりの花よ 永遠に」
死者58人、行方不明者が5人となっている御嶽山の噴火から5年以上が経ちました。
噴火で息子とその恋人を亡くした一人の男性は、絵本作家の女性と一緒に亡くなった2人の人生を1冊の本に。「風化させたくない…」とこの本であの日の出来事を後世に伝えようとしています。
■御嶽山噴火から5年 麓の町で子供たちに息子を亡くした男性が講演
9月12日、御嶽山の麓、長野県木曽町にある三岳小学校に訪れた愛知県一宮市の所 清和さん。
5年前の噴火で、息子の祐樹さん(当時26)と、その恋人の丹羽由紀さん(当時24)を亡くしました。
所 清和さん:
「噴火って皆さん知ってますか?噴火ってどういうことでしょう。これは(息子の)祐樹が持っていたリュックサックなんですけども、ここに穴が開いています。この穴は噴石が飛んできたのがあたって破れて入った穴です」
遺品からかき集めた火山灰…粉々になった携帯電話に降り注いだ噴石…。噴火の恐ろしさを子どもたちに伝えました。そして所さんがもう1つ伝えたかったこと…
■亡くなった2人の一生を綴った本を子供たちに
所さん:
「こちらの『ひまわりの花よ 永遠に』という本を10冊、校長先生に預けました。自分で読んで、ご両親にも読んで頂きたい」
表紙はひまわりに囲まれて微笑む2人の写真。
タイトルは『ひまわりの花よ 永遠に』。亡くなった2人のこれまでを描いた本です。
生い立ち、出会い、週末に出かけたデートの日々。
しかし、あの日の噴火が幸せな2人を襲いました。
本には当日の2人の行動だけでなく、無事を祈る所さんたちの当時の思いも綴られています。
(本の文章より)
『「無事でいてほしい」心はあせるばかりでした。(噴火から)3日、4日と過ぎると、絶望感にとらわれるようになりました』
子どもたちにも読んでもらえるように、文字を少なくして、写真を多くしました。
■心を動かされた『子を思う親の気持ち』…作者は面識のなかった絵本作家
この本を書いたのは愛知県小牧市の渡辺和子さん、ペンネーム・浅茅依子で活動する絵本作家です。元々、所さんと面識はありませんでした。
渡辺さん:
「1枚の新聞記事だったの、一番最初は。所さんがひまわりの苗を植えて、花が咲いたら(御嶽山の)9合目まで登って、ひまわりの花を手向けたと」
本を描くきっかけになった、ひまわりの写真。
(本の文章より)
『由紀ちゃんにはひまわりの花が一番ふさわしい。ひまわりの花を植えて弔ってあげよう。どこかで見ていてくれるに違いない』
所さんは自宅で育てたひまわりを御嶽山へ持っていき、2人に手向けていました。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース