香川県議会が4月の施行を目指す「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」について、「行政が時間を規制するのはやりすぎ」などと批判が寄せられたが、それより約5年も前の平成26年11月、岡山県教委は「小中学生のスマホ利用は午後9時まで」とするルールを打ち出していた。果たして効果はあったのだろうか?
■親が利用をコントロール
岡山県教委は今月、「『スマホ』購入虎の巻!!」と題したパンフレットを作成し、学校を通じて保護者への配布を始めた。パンフレットでは子供へのスマホ購入時に、フィルタリングサービスの加入とペアレンタルコントロールの設定を促している。
子供のスマートフォン・ゲーム依存の予防には、携帯各社のフィルタリングサービスが威力を発揮する。同サービスはあらかじめ機能を設定することで、子供から端末を取り上げたり、注意をすることなく使い過ぎを防ぐことが期待できる。携帯大手5ブランドが提供するフィルタリングサービスの名称は、いずれも「あんしんフィルター」。スマホ契約時に無料で申し込むことができる。
一方、一般的にフィルタリングサービスは有害サイトを遮断する機能が知られているが、各社のあんしんフィルターには子供が使うアプリや、その使用時間帯に制限をかける「ペアレンタルコントロール」機能が含まれている。
これは、親の端末上で子供の端末に何のアプリが入っているかが確認できるもので、例えば「SNS」のカテゴリに含まれるものを使えなくしたり、あらかじめ導入できなくしたりもできる。
子供が長時間使用しがちなゲームのアプリの場合、利用時間帯を例えば9時から21時に制限すれば、深夜の時間帯は使えない。NTTドコモのあんしんフィルターでは、子供がアクセスしようとしても「このページのアクセスを制限しました」と表示される。
■今もルールは生きている?
こうした機能の設定について、岡山県教委義務教育課の横山智康副参事は「後からではやりにくくなるので、最初に設定し、家庭でルールを作っておくことが大切」と呼びかけている。
同県では平成26年から、小中学生がスマホの使用法について考える会議イベント「OKAYAMAスマホサミット」も毎年実施。子供たちが会議を通じてスマホの適正利用を訴える動画を作成し、授業で活用する取り組みも進められている。
子供のスマホの適正利用に積極的な姿勢がうかがえる同県。約5年前に設定した「小中学生のスマホ利用は午後9時まで」ルールはどのようなものだったのか。
(1)午後9時以降はスマホを保護者が預かる
(2)ゲームも午後9時まで
(3)スマホとのつきあい方を学校で考える場をつくる 同県の場合は条例ではなく努力目標だが、全国の都道府県教委で初めての試みとあって、当初は話題を呼んだ。
しかし、現在は啓発はほぼ行われておらず、あまり知られていない。
塾通いの子供が夜に連絡を取るためにスマホを使うケースもあり、実態にそぐわずトーンダウンしていった。
県教委の担当者は「今もルールは生きている」としつつ、「現在は『午後9時』にこだわりはない。大切なのは家庭ごとにルールを作り、守っていくことではないか」と話している。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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