死体遺棄罪に問われたベトナム国籍のレー・ティ・トゥイ・リンさん(24)について、最高裁が逆転無罪の判決を出した。事件を通して浮かび上がったのは、孤立出産に刑罰で対処してきた司法の姿や、技能実習制度の欠陥だった。日本社会に投げかけられた問いは、広く重い。
「孤立出産の中でとった行動を、簡単に犯罪に問うてはならない。判決にはそんなメッセージが込められている」。弁護団の石黒大貴弁護士は、会見で判決の意義を強調した。
死体遺棄罪はこれまで、殺人の後に死体を隠したり捨てたりした行為への適用が中心で、死産した場合の遺体の扱いについての司法判断は乏しかった。
あいまいだった「遺棄罪」に一本の線
どんな行為が「遺棄」に当たるのか。
この日の最高裁判決は、「習…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル