廊下がなく、多目的スペースを囲むように各教室を配置――。神奈川県海老名市立今泉小学校にこんな校舎が建て増しされた。市や市教育委員会は、この校舎を今後の市立小中学校のモデルに位置づける方針だ。廊下をなくすことに、どんな意味や狙いが込められているのか。
8日にあった完成記念の式典。和田修二校長は6年生に対し「皆さんが社会で活躍するころには、人工知能やロボットが処理するのが当たり前」と語りかけた。この校舎で「学級の枠を超えて自分の考えを発信し、多様な考えに触れ、議論する環境」ができたとし、「新しい発想やアイデア、よりよい物を作り上げる力が育つ」。廊下をなくした狙いをそう説いた。
今泉小は、ここ数年でタワーマンションなどが林立する海老名駅周辺を学区に含む。現在約770人の児童数は、2030年ごろ1500人程度に達する見通しだ。このため、市は校舎を増築した。
廊下撤廃による最大の特徴が教室の配置だ。2~4階は約150~230平方メートルの多目的スペースを中心に据え、それを囲むように各教室を配した。仕切りは扉だけで、開放すれば一体的に利用できる。廊下の脇に教室が一列に並ぶ従来の校舎にはない発想の転換だ。伊藤文康教育長は「学級の枠を取っ払って、常に真ん中に子どもたちが集まれるようにしたかった」と話す。
既存の校舎完成から約40年…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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