10年前、京都市の小学校でプール学習中、ある女の子が溺れ、命を落とした。
現場に長女がいた京都大准教授の石井美保さん(49)は、遺族とともに関係者への聞き取りを行い、その過程を記録してきた。10年間の歩みは、1冊の本になった。
大人が事故原因を詳しく検証することなしに子どもの命を守ることはできない――。改めて、そう感じている。
浅田羽菜ちゃんと同じプールに
2012年7月30日。京都市立養徳小学校で、夏休みのプール学習中、1年生だった浅田羽菜ちゃん(当時6)が溺れ、浮いているのを教員が見つけた。羽菜ちゃんは翌日、病院で亡くなった。
石井さんの長女は、当時2年生。同じプールに入っていた。
学校で説明会が開かれたのは、事故の3週間後だった。事故当時、低学年の子ども69人がプール内にいて、水深は最深110センチほどあり、畳サイズの大型のフロートが何枚も浮かべられていたと説明された。教員は3人だった。
明らかに少ない人数の教員、低学年には深すぎる水深、子どもが隠れてしまう大型フロート――。「事故は誰にでも起こりえた」と感じた。
説明会で、涙ぐみながら話していた保護者がいた。
プールの水深が深すぎるから…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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