下司佳代子
新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生する場面が多様化している。これまでは医療機関や飲食店などに集中していたが、学校や職場での発生も目立つようになった。厚生労働省の専門家組織は、対策の徹底を呼びかけている。
5人以上の感染者を確認したクラスターを月別に集計した専門家組織の資料によると、「第3波」だった今年1月のクラスターは全体で961件。このうち、医療機関、高齢者福祉施設、飲食店で60%を占めた。この3施設は昨年から多くのクラスターが発生。一方、学校・教育施設、職場、スポーツ関連は全体の21%だった。
だがその後、発生する場面が多様化。4月は計463件のクラスターが発生し、学校・教育施設、職場、スポーツ関連が全体の37%を占めるようになった。逆に医療機関と高齢者福祉施設、飲食店の割合は38%になった。
クラスターの発生場所が多様化した理由ははっきりしないが、行動が活発な20、30代の感染が全国的に広がっているという事情がある。専門家組織は「クラスターの発生しやすい場での対策を徹底するとともに、『人流』や都道府県を越える移動を抑制して幅広く接触を削減する対策が求められている」としている。(下司佳代子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment