聞き手・才本淳子
コロナ下で中止や縮小になった修学旅行や運動会。学校での様々な体験活動の機会が少なくなったことで、子どもたちにどんな影響があったのでしょうか。教育社会学者の浜野隆・お茶の水女子大教授に現状と今後の課題について聞きました。
はまの・たかし お茶の水女子大教授(教育社会学)。専門は学力と教育政策。文部科学省委託の「全国学力・学習状況調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の研究代表として家庭の社会経済的背景と学力、非認知的スキルの関係を分析。共著に「学力格差への処方箋(しょほうせん)」(勁草書房)、「世界の子育て格差」(金子書房)などがある。
主体性を発揮する場所が少なく
今年2年ぶりに行われた文部科学省の全国学力調査と一緒に行われたアンケートで、学校に行くのが楽しいと思っている子どもや、将来の夢や目標を持っている子どもの割合が減りました。
これは、学校での文化祭や運動会といった特別活動や日常的な子ども同士のふれあいが少なくなった影響があると思います。ただ、コロナ下でも学校に行くのが楽しいと思っている子の割合が微減ですんでいることは、現場の先生方が工夫しながら学級運営をしてこられたからだと思います。
私はこの「夢や目標を持っている」子の割合が減っていることを心配しています。「あきらめ感」や「無力感」が子どもたちの間に広がっているとすれば深刻だからです。
長期化するコロナの影響で、学校行事などの中止、延期が繰り返され、子どもたちの心の中で「あきらめ感」や「無力感」を醸成してしまっている可能性があります。これは学校だけでなく、社会全体で考えていかなければならない問題です。
机の上の学習に限らない、日…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル