予期せぬ病気や事故で心臓が止まって、学校で亡くなる子どもを減らそうと、日本小児循環器学会は自動体外式除細動器(AED)の学校での使い方についての指針「学校管理下AEDの管理運用に関するガイドライン」を作った。これを使い8月から小中学校で訓練を開始。自治体などに協力を呼びかけ、全国に広めていくとしている。
AEDが普及し、ほぼ全ての学校に1台は設置されるようになり、心臓突然死は減少傾向にある。だが2017年には12件あり、学校での死亡事故の約2割をしめている。また、離れた場所にあるなどの理由から使われない例があり、教職員や生徒らによってAEDが使われたのは半数程度という調査もある。
指針は、教職員がAEDを使う際に活用でき、心臓検診をする学校医の参考になる。文部科学省や日本循環器学会、日本臨床救急医学会などの関連指針や提言を基にした。
AEDの使用開始が1分遅れると、社会復帰率は9%下がり、心停止から5分以内の開始が望ましいとされる。指針は、AEDを校内のどこからでも片道1分以内の場所に設置し、広い学校では複数台あったほうがよいとする。子どもの心停止の8割が起きる、運動場や体育館など運動をする場所に近いことを考慮し、体育館の壁への設置も一案とした。マラソン大会や運動会、対外試合などでは、AEDを移動させたり、携行用のAEDを用意したりする。
心停止が発生すればまず、倒れた子どもに胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸を始める。近くにいる子どもらにAEDをとりに行ってもらい、他の教師を呼んでもらう。119番通報し、AEDが到着したら処置する。保護者に連絡し、ほかの子どもを安全な場所に連れて行く。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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