学生は保育士に聞いた 「厳しい環境なのに、なぜ声が目立たない?」

 子どもたちの安全を確保し、成長を促す関わり方をする。そんな保育現場で働く保育士だが、長らくその待遇の悪さや労働環境の厳しさが課題とされてきた。待機児童問題少子化対策が叫ばれる中、なぜこの問題が取り残されてしまうのだろう……。保育士として働いていた友人の姿をきっかけに、保育士の労働問題が気になっていたという大学生の石井萌さん(23)と、子どもを保育園に通わせている記者(34)が、「声を上げ始めた」現役保育士に話を聞いた。

まだまだ厳しい 現場の実態

 話を聞いた保育士は、いずれも認可保育園に勤める保育士。都内の認可保育園に勤める男性(30代)と、茨城県内の園に勤める女性(20代)だ。2人とも、職場の労働環境に疑問を持ったことをきっかけに、保育士らが加盟する労働組合「介護・保育ユニオン」に参加した経緯を持つ。

 取材の冒頭、まず現在の職場環境について聞くと、2人とも一様に「厳しいですね」と声をそろえた。トイレへ行く時間すら思うようにとれなかったり、限られた人員でシフトを組むため、早朝、午前7時ごろの「早番」で出勤してから、園が閉まる午後8時ごろの「遅番」までいなくてはいけなくなったり……。時には、保育士が足りないことで、子どものけがにつながりそうな「ひやりとした」場面に遭遇することも少なくなかったという。

 毎日、体力と神経をすり減ら…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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