学生運動で逮捕、進出した香港でも… 古書店社長がたどる失敗と突破

 香川大学に在学中、70年安保闘争に関わり逮捕。廃品回収業から古書店をおこして多くの支店を展開したが、好事魔多し、進出した香港で2度目の逮捕――。

 松山市で古書店「写楽堂」を経営する岡本勢一さん(77)が、波乱に満ちた半生を記した自伝を出した。「子どものころ太平洋戦争から帰った人の話を聞いてもピンと来なかったが、今の若い世代にバブル期の話をしても同じように通じないのでは。生きた証しを文章にしたかった」という。

 戦後間もない1947年、徳島県三好市の山中の集落で7人兄弟の末子に生まれた。

 古本との出会いは中学時代。他校の生徒が使った参考書で勉強し、バスや列車を乗り継いで2時間かかる県立池田高校に通った。

 第1部は、学生運動の活動家だった若い日の思い出が語られる。

 香川大に進学した岡本さんは、ベトナム反戦運動などへの共感から安保闘争に加わり、69年10月の大学本部封鎖に参加した。

 さらに同月21日の「国際反戦デー」に合わせて上京したところを公務執行妨害容疑などで逮捕され、約1年間勾留・収監された。「東大、日大闘争と違ってほとんど語られてこなかった四国の学生運動の歴史を、当事者の視点で書き残したかった」と話す。

香港では「日本のポルノ王」とやり玉に

 第2部は、古書販売業の盛衰や、買い取りを通じて出会った人々の記憶がつづられる。

 大学卒業後も岡山県で労働組…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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