村山知博 桜井林太郎 阿部彰芳
日本学術会議は16日、東京都内で総会を開き、秋に改選される次期会員105人の推薦名簿を承認した。菅義偉首相(当時)が任命拒否した6人は新たな名簿に含まれていないとみられる。「3年前の前回の推薦が続いている」との立場で、引き続き任命を求めていく方針だ。名簿は近く政府に提出され、岸田文雄首相が任命を判断する。
学術会議には任期6年の会員が210人いて、3年ごとに半数が新たに選出・任命される。2020年の任命拒否以降では今回が初めての改選となる。任期が10月1日からとなる新会員候補105人を選んだ。
学術会議は選考委員会をつくって、昨年秋に候補者選考の手続きを開始。現会員たちが推薦した候補者を中心に、学術研究団体や大学関係組織、経済団体などにも情報提供を求め、約4千人から絞り込んだ。できあがった推薦名簿が今回の臨時総会で承認された。
105人の名前は公表されていないが、3年前に任命拒否された6人は含まれないとみられる。
これまで梶田隆章会長ら学術会議側は「(6人の)選考プロセスに瑕疵(かし)はなく、6人が任命されない具体的な理由の説明もない」と主張。首相による任命の手続きは終わっていないとの立場で、6人の任命を繰り返し求めてきた。それだけに、6人を今回の推薦名簿に加えれば、当時の菅首相による任命拒否を受けいれたことになる。欠員補充の形で6人任命を求めることも同様に、任命拒否を認めたことになるので難しい。
実は昨年、梶田会長は松野博…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル