宅配の荷物を渡そうとしたら…いきなりプシュッ 新型コロナを恐れる住民(西日本新聞)

【一面掲載コラム】

 「お届け物です」。玄関の扉が開き、宅配の荷物を渡そうとしたら、いきなりプシュッ。吹き掛けられたのは除菌スプレー。新型コロナを恐れ、こんなことが起きているそうだ

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▼受け取りの署名のために差し出したボールペンを使うのを拒まれたり、渡した荷物をまるでウイルスが付いているかのように扱われたり。宅配会社も非対面の受け取りを希望する届け先には、玄関前などに置いていくサービスを始めたとか

▼可能な限り人との接触を避ける-。やっかいなウイルスを封じ込めるには、それしかない。外出自粛と休業で街は動きを止めたようだ

▼それでも社会を維持するためには止められないものがある。医療や介護、電気、ガス、水道、交通。食料や必需品の生産や販売。そして必要なものを運ぶ仕事も。感染のリスクを覚悟で働いている人たちへの感謝と敬意を忘れてはなるまい

▼感染患者を受け入れた病院の医師や看護師の子供が保育園への通園を拒まれる。感染した女子高校生を「私ら高齢者にとっては殺人鬼に見えます」と発信した市議も。情けなく、腹立たしいが、特効薬のない病におびえる心の弱さの裏返しか

▼感染症と闘う医師たちを描いたカミュの小説「ペスト」にこんな一文が。「誰でもめいめい自分のうちにペストをもっているんだ」。外から忍び寄るウイルスだけでなく、内なる恐れが生む偏見や差別との闘いにも負けたくない。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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