宇宙から降り注ぐ、極端にエネルギーの高い粒子(宇宙線)を日米などの研究グループが米ユタ州で検出した。32年前に検出した過去最高エネルギーの「オーマイゴッド粒子」に匹敵する。ただ、発生源や加速される仕組みは不明。謎の粒子は「アマテラス粒子」と名付けられた。
日米韓などからなる「テレスコープアレイ実験」の国際研究グループが23日、論文を米科学誌サイエンスに発表した(https://doi.org/10.1126/science.abo5095
装置全体の面積は琵琶湖と同じ
地球には、宇宙のかなたから高エネルギーの粒子が宇宙線として降り注いでいる。中でも、桁違いに高い「超高エネルギー宇宙線」は、人類が加速器で作れるエネルギーの1千万倍に達する。ただ、1平方キロの面積に1世紀に1個ほどしか飛来しない。
「テレスコープアレイ実験」は、ユタ州の荒野に琵琶湖と同じ広さ(700平方キロ)に並べた507台の検出器や望遠鏡で粒子の到来を待ち構える。
研究グループは2021年5月27日未明、宇宙線が地球の大気とぶつかって生み出す大量の粒子を観測した。23台の検出器がほぼ同時に信号を記録。計算により、244エクサ電子ボルト(エクサは100京)のエネルギーを持つ宇宙線の粒子1個が、南西の方角から飛んできたと判明した。
エネルギーの高さは、1991年に米国で検出され、驚かれたオーマイゴット粒子(320エクサ電子ボルト)に次ぐ。感度のいい最新の装置では、最大エネルギーの検出例となった。
244エクサ電子ボルトを例えると
蛍光灯が放つ光のエネルギーは約2電子ボルト。今回の粒子はその100000000000000000000倍(10の20乗倍)の桁違いのエネルギーを持つことになる。
粒子が到来したのは明け方。信号の発見者が日本人だったこともあり、日本神話に登場する太陽神の名からアマテラス(天照)粒子と名付けた。
「宇宙の『未知』を教えてくれる神秘的で謎に満ちた粒子です」と、発見者である大阪公立大の藤井俊博准教授(宇宙物理学)は語る。
飛来してきたのは天の川銀河…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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