根津弥 本山秀樹
東京電力福島第一原発から北に約140キロ。宮城県北部の登米(とめ)市の農地に、土囊(どのう)に囲まれたパイプハウスがある。一般的なビニールハウスと外観は同じだが、中は見えない。入っているのは、稲わら約50トン。原発事故で放出された放射性物質が付着し、適切な処理が必要な「指定廃棄物」だ。
「3年の約束だと思っていたんだが……」
保管用の農地を貸す農家の新田尚さん(70)は嘆く。コメ農家のかたわら肉用牛も育てる。原発事故後に放射性物質が、えさの稲わらに付いた。民家から離れた場所に農地を持っていたため、周辺の農家の分も引き取った。「3年は無理でも、5年ぐらいでなんとかなんだべな、と思っていた」
昨年9月末現在、宮城県には…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル