今月27日の開催を前に、賛否が割れている安倍晋三元首相の国葬。反対する市民らが開催の差し止めを求める訴訟を相次いで起こしている。ハードルは高いとみられるが、なぜなのか。国の支出をチェックする制度のあり方とは――。
国葬の差し止めを求める訴訟は2日現在、少なくとも二つの市民団体が、東京、さいたま、横浜、大阪の4地裁で起こしている。
いずれも「思想・良心の自由や人格権などを侵害する」「根拠法がない行政行為を強行しようとしている」などと主張し、開催や予算支出の差し止めを求めている。原告の一人は「国葬強行は、憲法の精神を踏みにじり、法的根拠もないことに血税をつぎ込む違法行為だ」と話す。
しかし、複数の専門家は「差し止めは難しいだろう」と指摘する。
市民団体は、国や地方自治体の行為に不服を申し立てる「行政訴訟」として裁判を起こしている。この場合、原告に対して行政機関の行政処分があったことが前提となる。
日大大学院法務研究科の非常…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル